第18回 2007尺鮎会in球磨川

 9月15日の球磨川は、時折雨が降る程度で、平水よりやや低い水深で合流点下の戦の瀬も簡単に渡る事が出来ました。鮎の状況は非常に悪く、二桁もいかない釣師が殆んどで、坊主の方が多数の状況でした。そうした中、全国から尺鮎を求めて腕利きの鮎師が集まりました。例年40名近く集まるのですが、今年の状況の悪さの中18名が球磨川に集合したのです。
戦の瀬に着いて瀬肩を見るととんでもない位の鮎が跳ねています。鯉のような大きさの尾びれで水面を叩いています。期待を持って瀬肩に入りましたが、反応が薄く徐々に瀬に下りて行きました。しかし、痛恨のバラシが発生しました。ハリスからハリが抜け落ちたのです。普通に結んでいれば掛かっていたものを、少しアレンジした結びをしたのが失敗でした。
戦の瀬から球磨村一勝地駅前に入りましたが、まったく反応なし。左岸側を少し登って行くと、岡山の藤井先生の車が有りました。そのまま川辺川との合流点へと車を進めると、人人人。対岸に女性釣師の姿が見えました。一人で尺鮎が掛かったら大変だろうなと思いつつ瀬肩のトロの流芯まで立ち込んで竿を出しても反応なし、下の瀬肩に入っている人が何度も竿を曲げたのを見ていたが、他の方の竿はまったく曲がらずじまいでした。唯一、トロを渡って瀬肩に入った同行の橋上さんが3度竿を曲げ2匹取り込んだのが見えた程度で、明日のオトリに最適のサイズが掛かりました。一勝地温泉かわせみに6時までに帰り、検寸しないといけないので、早々に竿をたたみ愛車パジェロに跨って河原を疾走しました。
玄関先に着くと中から尺を釣ったぞと、藤井先生が出てこられました。検寸すると31cmジャストで15日の大会の優勝は、決定しました。

15日の部で優勝した藤井正寿様

女性鮎師の方が始めて参加されたのですが遅れてタイツ姿でかわせみにやってこられました。後で聞いてみると合流点の左岸側で釣っていた方だったようです。全国の河川の鮎を釣る為に都庁を早期退職して友釣りの修羅の道に入られた方です。満願成就される事を期待します。
 さて、表彰式の後、自己紹介で鮎歴を聞いていると皆さんの経歴は業界の者にとっては頭が下がるものでした。職を全うし、残りの人生を鮎釣りに注ぐ情熱は素晴らしいものがあります。又、優勝した藤井先生から優勝鮎(31cm)の塩焼きを一口づつみんなで突付いて尺鮎の味を楽しみ、明日の大会への情熱を盛り上げて頂きました。
 続く16日、前日の雨で増水濁りがでたら中止することになっていましたが、どうにか濁りもまだ少なく水量も少し増えた程度、全員が思い思いのポイントに飛んで行きました。
 前日優勝の藤井先生は、奥様を伴なって鹿児島観光と余裕の旅へ・・・・・結果は、熊太郎の瀬に入った多賀紀文マルトテスターが31.6cmを掛けて総合優勝を勝ち得ました。
 今年の球磨川は、9月の初めまでまったく釣れないという情報が流れて、今回尺鮎会の参加者が少なかった要因の一つとなったのですが、要因といえばやはり遡上の少なさ、有明海自体の稚鮎を育てる栄養がなくなっているのと、基の親鮎が産む卵の絶対数が少ないのが原因だと思います。漁協の取り組みを揶揄する方もおりますが、川辺川のダムの工事を認めた時点でこうなる事は、皆判っていたはずです。今後、尺鮎会を続けるかどうか話し合いをしましたが、もう少し続けてみる事になりました。来年の球磨川の尺鮎が、私のほうにも向いてくれる事を願いご報告いたします。
尺鮎会 太田博文

総合優勝の多賀紀文様

2日目この瀬を釣り下りましたが反応なし(川辺川カッパ橋)